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はじめに
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- こんにちは、はじめまして。 atelierprove1995と申します。
わたしたちは茨城県ひたちなか市にあります服を作る小さなアトリエです。
「これからの良い服を作りたい」をコンセプトに、人と環境に優しい自然素材を中心に、良質な生地で着心地の良い服を日々、一点一点しっかり丁寧に縫い上げています。
デザイン、パターン (型紙) はすべて一から起こしたオリジナルです。
私たちにとって「服」は、小さな感動をくれたり、時に自信を持たせてくれたり、時に癒され、着ていると心と体を喜ばせてくれる、そんな素敵な存在です。 一過性の流行よりも、着てくださる方にながく愛用してもらえるような、心に響く服を目指して制作しています。
2017年の春からCreemaに出品させていただき、おかげさまでこれまでに何千点もの服を作ってユーザーの皆様にお届けすることが出来ました。
HMJなどのCreema主催イベントに出展するなど、Creemaとは様々なご縁があります。 -
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なぜワンピース専用のインナーなのか
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ワンピース専用のインナーを作りたいと思ったきっかけ
- 当アトリエでもリネンやコットン素材のワンピースは毎回人気で、何度も制作させていただいています。
その中で透け感のある生地のワンピースをお送りする際は、
「透け感がありますのでインナーを着用して下さい。」
とご説明してまいりました(当アトリエでは必ず簡単な取扱説明書を同封します)。しかしその時、
「そういえばワンピースの中に着るインナーって、ちょうど良いのがなかなかないんだよなぁ、うちのワンピースを着て下さっている皆様の中にも、同じ悩みを抱える方がいるかもしれない。」
と気が付きました。 -
なぜワンピース専用のインナー?
- ワンピースといっても、今はワンピースの中にパンツやレギンスなどを履いたり、前を開けて羽織ものとして使ったりと、多くの方がさまざまなコーディネートを出来る時代になりました。
「着回し」や、「重ね着」という選択肢が増えたことで、透け感のあるワンピースでも、ほとんど単体で販売されます。その結果、インナーに困ってしまう方も増えたのではないかと思います。
「本当はクラシックにワンピース一枚で着こなしたい」
「今まで納得のいくインナーと出会えずにストレスを感じながらワンピースを着ている」
わたしたちは、そんな悩みを抱える方に寄り添った、ストレスフリーな心地良いインナーを生み出したいです。 -
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自然素材で作るわけ
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リネンのワンピースのインナーがポリエステル?
- このプロジェクトを行うにあたって、どのようなインナーが流通しているかなどを徹底的に調べました。
その中で、リネンやコットンなどの自然素材のワンピースを着る時に、ちょうど良いインナーがこの世の中にはなかなか無い現状に気が付きました。
いま主に流通しているインナーは、素材がポリエステルやナイロンなど化学繊維でできたものです。それでは自然素材のワンピースを着ても、着心地が半減してしまいます。
より気持ちよく快適にワンピースを楽しんでいただけるよう、インナーも自然素材で着やすく、肌に優しい“コットン100%のワンピース用インナー”を制作したいと思いました。 -
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人にも環境にも優しく
- 服を作る上で、こだわっている事はたくさんあります。
その中で最も大切にしていることは、出来る限り環境に負荷の少ない自然素材を使う事です。
自然素材の素晴らしさは、着心地が良く人にも優しいところです。
ただ、服は人に見られるものでもあるので、条件を満たした上で色や雰囲気の良い生地を信頼できる生地メーカーさんから提供していただいています。
インナーは体に一番近い衣類で最も肌に触れます。自分自身が肌が弱いこともあり、敏感肌な方にも安心して着ていただけるよう、最も肌に優しい綿100%の生地で制作します。
さらに今回使用する生地は単純に綿100%というだけでなく、必要以上に精製しすぎないように作られた糸で織った生地を使用しています。
綿が持つ柔らかみやふんわり感を最大限引き出し、同時に捨ててしまう部分とエネルギーを大量に使う作業も減り、環境にもより優しい素材となっています。
(精製しすぎない事でどうしても原綿の残存物が目立たない程度ですが残っています。その点はどうかご理解下さい。)
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服がいま抱えている問題
- 服は今もなお環境に大きな負荷をかけながら世界中で大量生産、大量消費が続けられています。
価格を抑えるために発展途上国の人々に劣悪な労働環境や条件を強いたり、コストを抑えるために無謀な計画で安易に大量に生産し、結果的に売れ残った大量の服は最終的に焼却処分されているのが現状です。
誰にも着られることのない服が信じられないほどたくさん作られ、売れ残ったたくさんの服が膨大なエネルギーを使って捨てられ続けています。地球温暖化による異常気象や環境破壊が進んでしまっている今、服もよりサスティナブルに変わらなければならないと強く思っています。
当アトリエで作る全ての服に「 C F N P 」と書かれたタグをつけているのですが、これはブランド名ではなく「Clothings For Nature and People」、直訳で「自然と人のための服」という意味の言葉の頭文字です。 -
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服を作るうえでのこだわり
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デザイン、パターン
- 当アトリエで作る全ての服は、いちから起こしたオリジナルです。長く愛用していただけるようデザインはなるべくシンプルに。
パターンは素材の持つチカラを最大限に引き出す事、着心地の良さと着た時のシルエットの美しさの両立を目指して徹底的に考えます。襟ぐりひとつとっても、開きの広さや丸みなど、鉛筆で引く試作のパターンは真っ黒になるほど書き込む事も多いです。 -
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裁縫
- そして縫製ですが、これもやはり長く着ていただけるよう一点一点丁寧に、縫い代の処理や襟ぐりの始末、意外と重要なポケットなどディティールにも気を使います。
より自然に近い素材は独特のくせがある場合も多いのでそれまでのやり方では上手くいかない事もあり、そんな時はいちから考え直したりもします。
作ってみたサンプルが予想と全く違い、呆然とする事もありますが、その壁をなんとか乗り越えて新しい良さを生み出す事が出来た時はまた格別の喜びがあります。 -
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こだわる理由
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なぜそんなにもいろいろこだわるのかというと、やはり気に入っていただいて長く愛用してほしいという気持ちが強いです。服を作るうえで大変なことはいろいろありますが、ユーザー様からのご感想で
「とても着心地が良く、気に入っています!」
「この服ばかりいつも着ています」
などと言っていただけると、それまでの苦労は全部ふっとびます。
ものを大切にする気持ちは、私たちの暮らす自然や社会をより良くすると信じています。大切に着たいと思っていただけるような服を作り、理想はわたしたちの作った服をお届けする際に、小さな感動を一緒にお届け出来たら、この上ない幸せです。 -
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このプロジェクトについて
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クラウドファンディングにした理由
- 今回制作させていただくワンピース用インナーは、通常行っているワンピースやトップスなどの洋服制作とは違い、今回初めてインナー専用の服の制作に挑戦させていただくため、需要がどの位あるのかを制作まえに知りたいと考えました。
それから、せっかく作るなら本当に着心地の良いインナーにしたいのですが、そうなるとどうしてもインナーにしては価格が高めになってしまうので、それでもなお需要があるか、という点も気になっています。
じつはこのワンピース用インナーのアイデアは三年ほどまえから考えている事案で、いつか実現させたいと思っていました。しかしながら、当アトリエは一つのアイテムを新しく開発する際にはたくさんの時間をかけて納得のいく出来になるまで作りこむので、どれ位の需要があるか見えないアイテムに取り組むことに二の足を踏んでいました。
そうこうしている間にも日々の制作などに追われてなかなか時間を作れずにいましたが、以前よりもたくさんのご注文をいただけるようになった今、さらに強くインナーの必要性を感じ、今回Creema SPRINGSをきっかけに思い切って挑戦してみる事にしました! -
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開発での試行錯誤
- まずは素材選び。最高の着心地と着やすさを実現させる素材を、必死に探しました。
幸いなことに、いつも生地を提供いただいている生地メーカーさんがぴったりの生地を作っておられたので、その生地で作りたいと思っていました。
しかしながら昨今の情勢もあり、生地の在庫はタイトになっているのが現状です。
せっかくユーザーの皆様にご支援いただいたのに「生地がなくて作れません。」という事にならないよう、素材の確保は第一に注意しています。
そしてふだん行っている洋服の開発とは違い、インナーのデザイン、パターンはほぼ初めてです。
インナーならではの要求される機能や、上に着るワンピースへの影響などもよく考えて開発を行いました。着心地が良い事、着やすい事、それから当アトリエのワンピースだけではなく、いろいろなワンピースのインナーとして活躍できる事など、簡単ではありませんがそれらの条件を出来る限り全て満たせる作品を目指して取り組みました。 -
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リターン品:ワンピース用インナーについて
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たかがインナー、されどインナー。
- デザインは当アトリエらしくシンプル、プレーンに。
ただインナーとはいえ、やはり服の持つときめきを少しそえてお届けしたいと思っています。
パターンはドレーピング(立体裁断)でひき、邪魔にならない程度に裾に向かってフレアにしたことで表に着たくなるくらいキレイな型が出来たのではと思っています。襟ぐり、袖ぐり、丈、全体のバランスも上手くいきました。
素材は原綿を精製しすぎずに作った国産の綿100%ローンで、軽く柔らかく抜群の肌触りです。
インナーなのでこれ一枚では透けてしまいますが、上に着るワンピースと着用するにはちょうど良い薄さで、とても軽く、重量は約90gです。
生地は京都桂川水系の天然水で染色、水洗い、湯洗い加工をし、熟練職人の手でランダムでナチュラルなシワ加工をかけています。ご自宅の洗濯機で洗えて、アイロンも必要ありません。自然な雰囲気で汗をかいてもすぐに洗えて扱いもらくちんです。
(縫製後に洗いざらしてノーアイロンで写真の状態です。)
ワンサイズ(M~Lサイズの方向け)で、
実寸は、着丈103cm、肩幅35cm、バスト95cm、裾幅は一回りで153cmです。
このインナーを着ていただければ、タンクトップやペチコートなどを着る必要はなく、最低限の下着のみでOKです。
このインナーで、ユーザーの皆様のワンピースを着る日を少しでも楽しく幸せにすることが出来たら幸いです。 -
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- 数量限定ですが、インナーとワンピースのセットもご用意させていただきました。
当アトリエの定番のワンピース、「超柔軟コーデュロイのプレーンなワンピース」と今回制作するワンピース用インナーのセットです。 -
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最後に
- ここまでとても長い文章を読んでいただき、本当にありがとうございました。
最後に支援して下さる方へ伝えたい事は、服の持つチカラの素晴らしさです。
大量廃棄や環境汚染など、いま問題の多いアパレル界隈ですが、そもそも作るまえによくよく考えて、そして気が付いた事を受け止めて勇気をもって変えていけば、少しずつでも必ず問題は解決できると思っています。
僕はこれまでずっと服をやってきて、たくさんの感動や出会いなどかけがえのない経験をすることが出来たので、ユーザーの皆様にも、よく考えて作られた服の楽しさ、そして「服って嬉しかったり楽しかったりする素敵なものなんだ」という事を、少しでもお伝えできたら嬉しいです。 -