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- はじめまして。つまみ細工作家の花色小町(はないろこまち)です。つまみ細工の可能性を少しでも広げられたらと思い、プロジェクトに参加しました。こちらを通じてつまみ細工の魅力や可能性を少しでもお伝えできましたら幸いです。
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<つまみ細工って?>
- 「つまみ細工」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?舞妓さんの髪飾りを思い浮かべた方や、成人式に髪飾りとして使用したという方も多いのではないでしょうか。一方で、つまみ細工と聞いてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。そこでまずは、つまみ細工について説明させて下さい。
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- つまみ細工は、正方形に切った布を、折り紙のように折ったりつまんだりして花や蝶などを作る技法のことです。江戸時代から200年以上続く伝統工芸で、簪や櫛などの飾りとして多く用いられてきました。和装に合う装飾品の代表と言っても過言ではありません。
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<コロナで身に着ける機会が減っています...!>
- そんな和のイメージの強さこそが、今回のプロジェクトに参加した理由でもあります。現在、新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止や縮小を余儀なくされています。夏祭りや成人式・卒業式といった浴衣や着物を着るイベントも例外ではありません。浴衣や着物を着る機会が減ることで、必然的につまみ細工の装飾品を身に着ける機会も減ってしまっているのです。多くの方につまみ細工のことを知ってほしいのに、身に着ける機会どころか目に触れる機会さえ少なくなってしまう...。それはとても悲しいことだと思います。そういったことからプロジェクトを通してみなさんにご提案することを決めました。つまみ細工は「和装の時だけのものですか?女性だけのものですか?アクセサリーだけですか?」と。
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<日常につまみ細工を>
- こちらを合言葉に花色小町では、普段使いしやすいデザインやサイズ感・色合いを意識したアクセサリー作りを行っています。それこそ普段使いしにくいかなぁと少しでも思った作品はお蔵入りさせることもあるほどに。花色小町が普段使いにこだわるのにはちょっぴり苦い思い出があります。
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- それは花色小町がつまみ細工と出会った七年前のこと。旅行で訪れた京都のとあるお店でのことです。まさに和風そのものといったつまみ細工の髪飾りを扱っていて、歴史の面影を色濃く残す京都の雰囲気にぴったりでした。布で作るお花のあたたかみに強く心惹かれ、普段使っているからとヘアゴムを購入したまでは良かったのですが...。つまみ細工のお花の鮮やかな色と和の雰囲気に合うコーディネートに悪戦苦闘。結局一度も着けて出掛けられなかったのです。とても気に入っていただけにショックでした。それでもつまみ細工のお花の魅力を忘れられず、それをきっかけに自分が身に付けたいと思うつまみ細工を作るようになったのです。
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<こだわり続けていること>
- つまみ細工を作り始めてからこうして作家活動を行っている今日まで、花色小町がこだわり続けていることが二つあります。
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- 一つ目は、使いやすいアクセサリーであること。花色小町で扱うモチーフのほとんどがお花です。デザインやサイズ・色合いによっては子供っぽく見えたり、主張が強くなり過ぎたりしてしまうこともあるでしょう。それでは普段使いしやすいアクセサリーとは言えません。だからこそほんのちょっとのサイズ感の違いや色の選択にもこだわりを持ち続けるようにしています。
二つ目は、季節を感じられる作品であることです。着物の柄に四季折々のお花が描かれているように、季節の移ろいを感じながら生きることは日本人にとって大切なことなのではないでしょうか?そんな着物を飾ってきたつまみ細工もまたしかり。その点は簪であってもピアスであってもネックレスであっても変わりありません。季節と共に在る。それこそがつまみ細工の持つ歴史と伝統であり、受け継いでいくべきものだと思っています。 -
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<花色小町が伝えたいこと>
- 花色小町は「花の彩り」を意味する「花色」と「女性」を意味する「小町」を合わせた言葉です。現代を生きる女性は、仕事にプライベートに家事に育児に全力で向き合っています。そんな中でも季節に置いて行かれることなく「今」を楽しんでほしい。アクセサリーという形で、日常に花の彩りを添えることがそのきっかけの一つになれば...。そんな願いを込めて名付けたものでした。ですが、これからのつまみ細工は今まで以上に、日常にそして使う人に寄り添えるものになっていけたらと思っています。
つまみ細工だからというだけじゃなく可愛いから選ばれる。特別な日だけじゃなく普段使いとしても魅力的。男性だって着こなしにプラスできる。アクセサリーは使わないけれどこんな雑貨は素敵。.......
作り手と使い手によって、これからもつまみ細工が持つ可能性は広がっていくことでしょう。その可能性の一端をこちらのプロジェクトを通して少しでもお伝えできましたら幸いです。 -
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おわりに
- まさか自分がクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げることになるとは夢にも思っていませんでした。
クラウドファンディングのお話をいただいた時、心に浮かんだのは「私にできることがあるんだろうか...」という消極的な気持ちだったからです。
そんな私の背中を押してくれたのは、「今年はコロナ禍でお花見はできませんが、桜のアクセサリーを通してお花見気分をを味わうことができました」というお客さまの言葉でした。その言葉のおかげで「このような状況だからこそ私にもできることがあるかもしれない」と一歩踏み出すことができました。
他の作家さまのような魅力溢れるプロジェクトページではないかもしれません。ですが、花色小町のプロジェクトを見て下さった方が、少しでも季節の移ろいを楽しみに思って下さったり、つまみ細工っていいなと思って下さったりしていただけましたら幸いです。
また、これまでの作家活動を振り返り、つまみ細工と向き合い、新しいことに挑戦する...そんなきっかけを下さったすべてのことにこの場をお借りして感謝を申し上げます。
花色小町は、つまみ細工に興味を持って下さった方やお花が好きな方、季節の移ろいを大切にしたいと思う方に作品を届けられるよう、これからも花びら一枚一枚心を込めて作り続けていきたいと思います。
この度は花色小町のプロジェクトページをご覧下さいまして、誠にありがとうございました。つまみ細工がこれからのみなさんの日常に花と彩りを添えられますように…。 -
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