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はじめに
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HOLLY GRANT PATTERNについて
- はじめまして、ホリーグラントパターンの大野と申します。ご覧下さりありがとうございます。
神奈川県の自宅にて、デザイン・染色作業をしています。
特殊な設備が必要な場合には、シェア工房などを利用しています。縫製は自分で仕上げたり、バッグや服などについては国内の縫製職人さんのお力をお借りしています。
私は日々染色している時、心から綺麗だな、美しいな、と感動しながら制作しています。
染料が染み込む瞬間の様子や、水の中で洗っている時、乾かす時に光を透過しているところ。制作中の美しい瞬間は無数にあるのですが、残念ながらその景色までは直接お客様と共有する事が出来ません。
今回のプロジェクトでは、そんな美しい瞬間を残すために、新しいテキスタイルの形に挑戦します。 -
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これまでの活動
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ものづくりを始めたきっかけ
- 作ることは子供の頃から好きでした。テキスタイルで作品制作を始めたのは大学からです。
就職後は個人的な作品を作る余裕はありませんでしたが、出産をきっかけに退職した後、改めて自分の手に収まる物作りが仕事として通用するのかやってみようと制作を始めました。
私自身がとにかく染色が好きですので、自分の手で染めることを大前提として活動してきました。
手染めによる1点もののハンカチやポーチ、アクセサリーなどの雑貨から、バッグ、洋服など。クライアントワークとして、ご依頼に沿ったテキスタイルによる作品制作なども承っています。ワークショップのご依頼を頂き、開催することもあります。 -
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活動する上で大切にしている想い
- 染色に関してはどの技法も、どの色でも全てが好きです。
オーダーや表現したい内容によって技法を使い分ける事にも面白さを感じています。
毎日同じ方法で鍛錬されている染物職人さんには当然敵いませんが、幅広いご依頼に対して柔軟に対応していけるよう、守備範囲は広くありたいと思っています。 -
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こだわっていること
- 今Creemaで販売しているものの多くは、全て1枚1枚描くように染色していますので、手にしていただいたものは自ずと1点ものになります。
顔料プリントやペイントとは違い、繊維そのものに染み込んでいますので、素材と色とで一体感があるところが魅力であり、模様がありながらも布の柔らかさを保てるところが特徴です。
にじみやカスレなどの表情がダイレクトに伝わるところが気に入っています。とても手間がかかる為、非効率的なところもあるのですが、工程を工夫し、日々改良しながら制作をしています。 -
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技術について
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どのような工程で作られるのか
- これまでCreemaで販売してきているものについては、染料の種類や技法によっては全く違うのですが、大体は以下の様な流れです。
1.出来上がりをイメージしてデザインを考えます。
2.布に付着している不純物や糊を取り除く「精錬」という工程があり、下準備をします。
3.染料を滲ませたくない場合、一度全面に液体を塗布する「地入れ」という作業をします。
4.防染(マスキングする事)が必要な場合は糊や型紙などを使ってマスクします。
5.染色します。染料や薬品を予め準備しておき、刷毛などを使って自由に描く様に染めます。(2~4は、わざと工程を省く事も多いです。)
6.乾かして、様子を見ながら何度かに分けて色を重ねていきます。
7.染色作業が終わり完全乾燥させたら、色定着の為に薬剤を塗布し、数時間置きます。
8.水とお湯で交互に良く洗い、薬剤と余分な染料をしっかり落としていきます。
9.定着液に浸け、さらに色落ち防止加工をします。
10.乾燥後、アイロン。ここまでの一連を、場合によってはもう一度繰り返して染め重ねる事もあります。
11.必要に応じて縫製、仕上げをしていきます。
大まかにはこの様な感じです。
今回のクラウドファウンディングではこの手染めとは全く異なり、デザインをした後はプリントメーカーに依頼し、デジタルで出力するものになります。
綿素材の場合はインクジェットプリント、ポリエステル素材の場合は昇華転写プリントという方法になります。インクジェットでは反応染料、昇華転写プリントでは分散染料を使用するとの事で、どちらも熱で定着させるプリント方法です。
手染めに関しては、ダイレクトに繊維に染料が染み込む感覚そのものが、私にとっては魅力です。
鮮やかに発色するタイプの染料を好んで使っています。一方今回挑戦するデジタルプリントでは、手染めでは表現出来ないタッチを布に表せる事が魅力ですので、それもまた楽しみにしています。 -
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今回の挑戦について
- クラウドファンディングに挑戦しようと思った理由は、今までのコンセプト(手染め)とはまた別のやり方で、表現の幅を拡げる良い機会だと思ったからです。
これまでも頭の片隅にはあったプリントという方法で、まずはイラストレーションでパターンを作るのではなく、手染め作品が生まれる背景や過程を伝える事が出来たら面白いかなと考えました。
ネット販売をしていると、制作工程を記載してお伝えしているつもりでも、こちらが思っている以上に伝えられていない事の多さを実感します。
染色は特に完成した状態が布で、すでに身近にありふれた素材である為か、工程の多さや手間数が伝わりづらく、お客様と直接お話ししてみると驚かれることが沢山あります。
今回はそんな「過程」の美しさを、初めてのデジタルプリントを使って前面に押し出してみようと思います。
普段の制作方法では表現出来ない、写真のコラージュやアイデアスケッチなども使い、染色の工程写真なども落とし込む予定です。
今回のこの企画に共感・ご支援いただけたら新たな可能性を広げていけますので、チャレンジしてみたいと思いました。 -
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なぜいま挑戦するのか
- 「これからは個の時代」とよく耳にします。
発信も販売も個人で簡単に出来るようになり、それを選ぶ側もたくさんの選択肢から自由に選ぶことが出来ます。
自分自身が前に出ることにはこれまで消極的でしたが、これからは、練り上げて完成させた作品ばかりではなく、その過程やアイデアの様な、未完成で荒削りな部分ももっと気軽に形にしていき、よりパーソナルなところでの共感も得られるようにしていく必要性を感じています。 -
ネクストステージへ
- 企画の準備には当然、時間も労力も試作の為の資金も必要です。普段の制作と並行して進めるからには、どうしても通常業務のペースが落ちてしまいます。
その分のリスクはありますが、テキスタイルデザイン・染色で出来ることをもっと探求していきたいと思っていますので、ぜひご賛同いただけましたら嬉しいです! -
支援してくださる方に届けたいもの
- 今回は「制作の過程にある美しさ」を、これまで使ってこなかったプリント技術を使って生地にし、いくつかのアイテムにしてお届けしたいと思います。
思いがけない柄を大胆に使う事で、アイテムに仕上げた時に面白味が出るのではないかなと思っています。
デジタルプリントを利用することによって、同じ柄を異なる生地に出力する事ができますし、またクラウドファウンディングで事前に必要数が把握できますので、複数の柄をご提案する事が可能になりました。今回は5種類のテキスタイルパターンをご用意する予定です。
アイテムは以下の通りです。詳細と、柄についてはリターンページをご覧ください。
●ファブリックパネル・・・気軽に生活にアートを取り入れていただきたい想いから、飾りやすいサイズの30cm角のファブリックボードを作成します。
●スカーフ・・・柄に加えて素材も選べる、大判のスカーフをお届けします。薄手のシフォン生地、光沢感のあるサテン生地、多用途に使える綿ローンからお選びいただけます。
●ミニバッグ・・・ちょっとした外出やランチタイム等にも便利な、シンプルなミニバッグ。壁掛けとしてインテリアでお使いいただいても。
●バネポーチ・・・こちらは普段からよく制作しています、ころんとした形のバネポーチ。コスメポーチや細かな物入れに。片手でパカっと開閉出来て便利です。
●ポストカードセット・・・今回ご用意するデザイン5種をプリントした、ポストカードの5枚セット。
●セット販売・・・複数アイテムを組み合わせた、お得なセット販売も検討しています。 -
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終わりに
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今回ご支援いただきました代金は、制作の実費、送料に当てさせていただきます。
何よりもこれを機に、よりたくさんの人に楽しんでいただける様なものづくりの幅を広げられたらと思っていますので、ぜひご賛同よろしくお願い致します。
またこのチャレンジを実行できるのは、今まで作品を買って下さったり、お仕事を下さった方達がいるおかげです。いつもどうもありがとうございます!
テキスタイルは日常のあらゆるところに存在します。ただ自分が作りたいものを作るだけでなく、幅広い視点を持って色々なジャンルとも関わりながらものづくりをしていきたいと思っています。
ご意見ご感想、ご要望などもお気軽にメッセージ頂けたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。 -