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ごあいさつ
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- こんにちは、「You 祐山窯」正村と申します。
日頃より、You 祐山窯の器をご覧くださりありがとうございます。
Creemaさまに出店し1年ちょっと経ちました。
昨年2月に初めて出店し皆さまに受け入れていただけるか不安もありましたが、ご購入いただいたお客様より温かいメッセージを沢山いただき感謝しております。
特にロリエ プレートは、ご自宅使いだけてなく贈り物用にとお選びいただいており、皆さまの食卓を彩るお手伝いができ嬉しく思っております。
今回、Creemaさまからお声をかけていただきプロジェクトに参加させていただく事になりました。
初めてご覧になる方、ご覧になったことのある方、ご購入いただいた方、様々な皆さまに、器のこと・器づくりを知っていただき、これからの器選びを楽しんでいただけるきっかけになってくださると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
⇩⇩Creema ギャラリーページ⇩⇩ -
私について
- 私は、『正陶苑(しょうとうえん)』で両親のもと陶器食器の生産をしています。
岐阜県土岐市の美濃焼の産地に、約25年前に両親が窯「正陶苑」を開きました。
私は高校を卒業した後、多治見高等学校専攻科で陶磁器について学び約20年両親のもとで一緒に器づくりをしています。
仕事の合間に、独自の器を作り『You 祐山窯』で活動しています。 -
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『美濃焼』って?
- 美濃焼とは、岐阜県の東濃地方(多治見市・土岐市・瑞浪市)を中心に作られている焼き物の総称です。
明治時代には急激に美濃焼の国内需要が高まり、美濃焼の器が全国へ広がり東濃地方は陶磁器の大きな産地として発展しました。
国内の陶磁器生産量の約半分以上は東濃地方で焼かれた美濃焼になります。
機械技術が発達し、成型→絵付け→施釉→焼成まで自動でできるようになり、多種多様な陶磁器が大量に作れるようになりました。百円ショップや大手生活雑貨店など、皆さんの身近なところにも美濃焼があります。
手頃な価格で全国に広まり、美濃焼に安いイメージを持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 -
陶器と磁器の違い
- 陶磁器とまとめられることもありますが、似てるようで違うのもなので簡単にお話しますね。
【陶器】
原料は陶土(粘土)が主。
「土もの」といわれ、磁器より厚みがあり、多孔質でザラザラした手触り。
温かみのある素材感や風合いを感じられます。
透過性がなく光を通さず、叩くと低い鈍い音がします。
【磁器】
原料は陶石(石の粉)が主。
磁器は「石もの」といわれ、ガラスのように滑らかでスベスベした手触り。
白く硬質さがあり、涼しさや軽やかさを感じられます。
透過性があり光をよく通し、叩くと金属的な澄んだ音がします。
見分けるには、器の裏底の釉薬がかかっていない箇所を見ると、陶器は土の色、磁器は白い肌で確認できるんですよ。 -
窯のこだわり
- 美濃の地は大量生産の大きな工場もありますが、窯元も多く立ち並び、個々のこだわりや伝統技術、個性を出し焼き物づくりをしています。
当社は普段、商社様からの依頼品を中心に陶器のマグカップや茶碗、お皿などの製品を作っています。
インテリア雑貨店などにも卸ていますが、ひとつひとつ様々な技法や手描きなどで装飾し、土の質感や釉薬の塗り分けなど一手間かける器づくり、手間を惜しまない器づくりが私たちのこだわりです。 -
- 私は「祐山窯」としてオリジナルの器を作り、数年前から各地のクラフトイベントなどに出店しています。
直接使い手のお客様と触れ合う機会が出来たことで、お客様の反応を直に感じることができるようになりました。
こうした経験ができたことで、今のライフスタイルやニーズに合わせた器づくりをより考え、製品作りに活かせていると思っています。 -
ロリエ リムプレート
- 器作りには様々な技法があります。
私はその中でも「しのぎ彫り」の技法が好きです。
『しのぎ』とは、ヘラやカンナなどの道具を使って、素地の表面を削り凹凸を出した装飾のことです。
使う道具、しのぎの太さ、模様の入れ方で表情が変わる面白さがあります。 -
- 私は、土の魅力を引き出す技法の一つが『しのぎ』だと思っています。
その『しのぎ』技法を活かしたのが、『ロリエ リムプレート』です。
一枚一枚丁寧に削るのですが、土の違いや乾き具合などで削る感覚が違います。
刃の入れ方、力加減で出来上がりの見栄えが変わってしまいます。
立体的に掘り出された模様が美しく仕上がってくれるととても嬉しくなります。
手間はかかりますが、手彫りならではの質感や風合いを感じられる器を楽しいんで欲しいと思い、ロリエ リムプレートが誕生しました。 -
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制作過程
- 【成型】
機械ロクロで成型します。
(他には、鋳込み成型・たたら成型・手ロクロなど製品に合わせて成型しています。)
成型した器を型から外し、縁を滑らかにしたり、ハマなどを削り出したり形を整えます。 -
- 【彫り】
土が乾く前に、リムに装飾を施します。
皿の大きさ、土によって彫る道具を変えています。
その後、乾燥させ1回目の素焼きを行います。 -
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- 【埋め込み】
素焼き後、1枚ずつリーフ部分に化粧土を埋め込み、余分な泥を丁寧に落とします。
そして2回目の素焼きをし、リムに化粧土を焼き付けます。 -
- 【本焼成】
釉薬をかけた後、1,230度の窯で約1日かけて本焼成します。 -
- 窯から出すときは、急激に冷やすと破損してしまうため、半日以上かけてゆっくり冷まし完成です。
冷ましているときは、器たちがピン・ピンと美しい音を立ててながら貫入(釉薬表面の細かなヒビ)が入るんですよ。 -
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リターンについて
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新作ロリエ リムプレートを先行発売いたします!
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- Creemaにて販売中の『ロリエ リムプレート』。
様々な雰囲気を出すため、土を使い分けたり彫りの間隔を変えてみたり、色々な釉薬を試して現在のロリエプレートが誕生しました。 - 今回リターンでご提供するのは、右側のプレートシリーズです。
左側は定番で販売しているプレートです。 -
- 土や釉薬は同じなのに、雰囲気が変わりませんか?
定番シリーズはリーフ模様が白く浮き出て可愛らしく、新シリーズは少しシックな雰囲気。
立体的に掘り出した模様に色の濃淡が生まれ、独特の深い表情になりました。
様々な食卓シーンやお料理に合わせてお使いいただけるよう、こちらのシリーズを作りました。
こちらの新作をCreema SPRINGSにて先行発売いたします!
サイズは約16㎝と約21㎝の2サイズ。
色は7色の中からお好みのカラーをお選びいただけます。
(ホワイト・マットグレー・ブルー・キャメル・グリーン・ブラウン・ネイビー)
また、Creemaでご好評いただいている『ブラウン/トルコ』カラーの大小セットに、箸置き(1個)のおまけ付にて販売いたします。 -
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終わりに
- 陶器(土もの)は本来、土の質感、技法、釉薬の窯変など、一つ一つに表情を変える魅力のあるものです。
それを引き出す手仕事は、機械作りには無い温かさがあると感じています。
そしてその温かさは、手技や技法を知らなくても「何かいいよね」と感じてもらえると信じています。
陶磁器にはしのぎの他にも様々な技法があり、それを知るともっと器選びが楽しくなると思います。
今回のプロジェクトが、そのきっかけになっていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。