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まだまだ支援していただければ嬉しいです!!本当にありがとうございます!
- ありがとうございます。プロジェクト三日目に目標額を達成し、その後もご支援は伸び続けています。
予想以上の反響を頂き、感謝より先に驚いております。日が経ち、今は驚きよりも大きな感謝を感じ、それは工房への、パンティへの大きな励みになっています。改めてありがとうございます。
目標額を達成した区切りもありますので、これまでにご支援頂いた皆様、そしてこれからご支援頂く全ての皆様へ感謝を込めて以下のものを返礼に追加とさせて頂きたいと思います。
まだ詳細を詰められていないので、若干の変更はあるかもしれませんが、大目に見てやってください。
■工房が出来るまでをレポートしていくサロン開設(おそらくフェイスブックページ利用)
私のブログや sns で取り上げることもありますが、より細やかに進捗情報を更新して参ります。
■工房オープン記念のポストカード
パンティグラスを載せるもので予定していますが、デザインはこれから。お楽しみに。
■以前私を記事にして頂いた横浜民衆文化誌「はま太郎 vol.11」
私は約8Pに渡っての記事になっています。
今回のプロジェクトを知った取材・発行元の星羊社さんから寄贈の申し出を頂きました。
星羊さま、ありがとうございます!!
今後とも、ぜひ応援お願いいたします。 -
はじめに
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あいさつ
- まずはじめに、コロナウイルスの影響で苦境にある皆様にお見舞い申し上げます。
また、この危機を乗り越えるためにクラウドファンディングを利用される方が多い今日に、それとは方向が異なる私のこのプロジェクトですが、私が歩みを止めることで何かを生み出せるということはなく、計画通りに本プロジェクトを決行することに致しました。互いに盛り上がって良い形が生まれることを祈っております。 -
パンティグラスとは
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- (パンティグラス photo by Fumihiro Sakita)
- 私の代名詞の作品である”パンティをはいたデザインのグラス”です。
白いお肌や、やけたお肌など、注いだお飲み物で様々な雰囲気をお楽しみ頂ける逸品です。
しかしながら、そのキュートな印象とは裏腹に大変な手間のかかる作品であります。
簡単に制作手順を説明すると、まず、吹きガラスでパンティのパーツとなるものを型吹きします。
次に、翌日パーツが冷めたら、切り出して削り、ガラス製のパンティを作ります。
柄もののパンティの場合は、パーツの生地を色の層にしているので、表面の色をサンドブラストで削り柄出しをします。
ここまでの作業でパンティが出来、そして吹きガラスの作業に戻ります。
パンティを電気炉で温め直し、そこに透明の溶けたガラスを吹き込み、ガラスにパンティをはかせ、成型していきます。
パンティパーツのガラスと、とけた透明ガラスの温度差(ガラスのやわらかさ、かたさ)を利用して制作する仕事になります。しかし、そもそもガラスは急激な温度変化に弱く、「はかせる時にパンティが割れない温度」、そして「電気炉内でパンティが溶け始めてへたることなく、形を保つ温度」の正にギリギリのパンティラインを攻める仕事であります。
また作業工程的に、どんなに急いでも作り上げるのに最低3~4日(同時に複数のパンティをはかせますが。)かかります。
パンティグラスひとつあたりの総制作時間は1時間半ほどが目安になりますが、簡単な透明のグラスであれば10分前後で作る吹きガラスの世界においては、根気のいる仕事であります。 -
今回のプロジェクトで実現したいこと
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パンティをはかせ続けるために、長野県に吹きガラス工房を設立したい
- さて、前置きが長くなりました。
はじめまして。こんにちは。吹きガラスで作品を制作している石井洋平です。「パンティグラス」をメインに、一風変わったデザインのグラスや花瓶など、日常が楽しくなるものを作っています。
ガラスを始めて16年目。パンティをはかせて15年目となります。
ナイフを研ぎ澄ますかのように、少しずつパンティをはかせる技術を磨いて参りました。
「切る・削る」等の機械を自宅に揃えて加工の作業をし、主な作業となる吹きガラスは、時間貸しの「レンタル」で吹きガラス工房に通って制作をしています。
今回の私のプロジェクトは皆様のお力を借りて、独立した「吹きガラス工房」を建てることです。場所は、縁のある長野県の奈良井という街です。そこに、私がパンティをはかせ続けるための「吹きガラス工房」を建てます。 -
ガラス作りをやめないために、やめさせないために
- とてもまじめに書きました。
包み隠さず、心のパンティを脱いでお話しします。 -
工房を持つつもりはありません~でした~
- まず、工房設立への考えに至った経緯をお話しします。
そもそも独立した吹きガラス工房を持つことについては、私は東京国際ガラス学院の学生時から否定的な考えを持っていました。
吹きガラスの工房は他素材、ガラス他技法の工房に比べランニングコストがかかります。そのほとんどは基本的には24時間ガラスを溶かし続けるための光熱費となります。 -
- (レンタル制作先工房のガラス熔解炉)
- 年間の稼働期間を短くする等、様々な工夫を見聞きしてきましたが、ガラス熔解炉でガラスを溶かし始めたら、売れなくても、むしろ作らなくてもお金を燃やし続けることになるのが、昔から現在まで変わらない事実です。
このネックを解消する手段としては、吹きガラス体験や一般講座で事業を広げ、収入の安定を図るのが王道的な方法のひとつであります。
さて、私がガラスを始めたのは、「自分の作りたいものを作りたいから」です。
私は、作品を作り続けることが目的であり、工房を持つことは目的ではありません。極端に言えば、工房は作品を作り続けるための道具であると考えています。 -
- (制作時、炉内温度は1200-1300℃を保つ)
- もちろん、作品制作のための最高の道具になり得るものではあります。
しかしながら、もしも工房運営のための維持費用が「作りたいものを作り続ける」ということの障害になるのであれば、時間貸しのレンタル制作で作り続け、ガラスに関しては自分の作品に極力集中しようというのが、これまでの私の方針でした。
純粋にガラスを触っていることが本当に好きだ、教えるのが好きだ。自分の特技をきっかけに人との出会い、つながりがうまれることが好きだ。色々な作家がいるということは補足させてください。 -
ナゼ工房を建てるのか~それは、継続~
- この「作りたいものを作り続けるために工房は持たない」という考えは「作りたいものを作り続けるために工房を持つ」という考えに二年ほど前に変わりました。
これは避けられることの出来ない「自分が年をとること」と、「近しい人間が亡くなること」が少しずつ積み重なっていく中で気づいたことかもしれません。帰京してから、私は主に三つの工房で吹きガラス制作をしてきました。どこでも本当にとてもよくして頂きました。 -
- (現在通って制作をしているガラス工房「グラスルーツ(東京都江東区)」)
- このままレンタルで制作をしていきたいとも思いますが、どの工房も運営は、私より年齢が少なくとも10歳以上上の方がやられています。
例えば20年後に工房の方が70歳まで頑張られて引退をする。その時私は60歳近く。
決して遠くない将来に作る、はかせる環境がなくなるかもしれないという危機は、私がガラスを止めない限り避けることの出来ない事実であります。そして、その壁を乗り越えることを後に回せば回すほど、体力・気力の面でより壁が大きなものとなってしまうことでしょう。
そこで、今自分の工房を持つことでこの危機を解決したいと考えています。
「私がガラスを止めない限り」と書きましたが、私がガラスを止めることはありません。それは、学生時より今まで、そしてこれからも「どんな形でも続けることが私の最低の目標であり、最高の目標であるから」です。
ガラスの学校での同期13名も、卒業時は就職や進学等全員がガラスを続けていましたが、現在作家としてやっているのは私くらいで、ガラスを触れているのは私を合わせて3名といったところです。 -
- (パンティグラスの制作)
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「やめてしまえば終わりでも、どんな形でも作品を作り、世に送り出していく。続けてさえいれば作家と言える。生き残れる。続ければ終わらない。」
そう考えてやってきました。また、福井県や青森県の工房、東京でのアルバイト生活の時に出会ったお世話になった方々、応援し続けていてくれる家族、友人、作品をお買い上げ頂いたお客様に私が恩返しできる一番のことは、私がガラスを続けることであると考えています。
私がガラスをやめることは、それら全てを嘘にしてしまうことです。
「恩返しのために」
その考えで乗り越え、続けてこれた時期もあります。
ですから、私はガラスを止めることはないですし、工房を持つことは決定事項であると信じています。
将来、吹きガラスが出来なくなるかもしれない。という危機に気付いてから、「ガラス工房を持つこと」を現実にするにはどうするか。帰京してなんとなく決めていた「40歳までに今後の制作のスタイルを決める。」目標から、2020年を目途にしながらも、初期設備投資の大きさも悩みの種に、特に何も進展できないままでいました。
そんなある日、昨年の秋です。都合よく、中古の吹きガラス工房設備一式を譲りたいという話がガラス関係の友人を経由して舞い込みました。閉めて2~3年経つ中部地方にある個人工房で、一度見学に伺いましたが、中古とは思えない状態の良さで、設備の規模も、個人でやるには丁度良い大きさのものでした。 -
- (購入した中古のガラス熔解炉)
- 諸々交渉の末1月に購入を決定し、3月下旬に契約・支払いを完了しました。
吹きガラス以外の設備、主に加工の機械(冷めている状態のガラスを切る・削る機械など)に関しては、吹きガラス工房独立に否定的な考え方がある頃より、作業の効率化のために年に一つずつを目標に、小割加工機、縦ダイヤ削機、コンプレッサー、サンドブラスター、平盤加工機と地道にコツコツと揃えて参りました。
これで、この先もガラスを続けられる。パンティをはかせ続けられる。
その環境が整いつつあります。 -
クラウドファンディングへの葛藤~in my heart~
- クラウドファンディングについても、否定的な考えと言いますか、葛藤がありました。
もうすでに、作品をご購入いただいたり、差し入れを頂いたり、ごはんやお酒をご馳走になったりと本当に多くの方に応援して頂いているのを感じています。支えて頂いています。リターンがあるにしても、他人様のお金で工房を建てるなんて図々しいのではないか。
そう考えていました。
しかしながら、この葛藤は色々な方々に思って頂いて現在の自分があるからであります。もう私の作品も道も私だけのものではないのではないだろうか?それは工房を建てることも同じではないだろうか?むしろ、自分だけで何とかすることはそれらを否定することかもしれない。
「色々な皆様のお力を借りて建てる。」そうすることで、わかりやすく「みんなの工房」となり、それが自分らしく、とても幸せなことではないだろうか。 -
- (色々な皆様に支えられてはかせて参りました)
- そう考えるようになり、中古吹きガラス工房設備の話が来てから、クラウドファンディングの構想を練っておりました。
そろそろ動こうと考えていた矢先に、本当に絶好のタイミングで今回のクリーマ様の新事業に参加のお誘いを頂きました。クリーマ様からの「もっと作り手の想いを伝えたい。その手段としてのクラウドファンディング事業である。」というお話も、クラウドファンディングに前向きに私の背中を押して頂きました。 -
プロジェクトについて
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奈良井の理由とこれからの方針
- 現実的な話になります。
工房は長野県塩尻市の奈良井に建てます。
それは作品作りにより力を入れられる環境作りのためであります。
工房を建てる候補地としては、今まで自分がお世話になった地域も考えてはいましたが、私が工房を建てる土地は、私の妻の父の実家であり、信頼関係において大きな利点があります。 -
- (奈良井の街並み)
- また、奈良井は標高の高い地であり、豊かな自然、山に囲まれています。昔ながらの建物が並ぶ文化保存地区の宿場町で、木曽檜、木曽杉、漆器の木曽塗が特産の歴史を持った観光地です。
避暑地としても親しまれ、近年は新たにお店(飲食店)を開く方がちらほらいらっしゃいます。
夏の東京での吹きガラス作業は辛く、長時間の作業は困難で、一年で最も体調管理に気を遣います。吹きガラス作家にとって、避暑地である奈良井の涼しさは制作の環境として魅力的です。
また、きれいな星、月の夜空や結晶の形のままで降り積もる雪、四季で変わる山の色など、この奈良井の環境が私の心に新たな風を与えてくれることでしょう。 - 売上増については、観光地であることを活かして工房は作品を作る相棒としてだけではなく、商売の相棒として、観光客をターゲットにした吹きガラス体験を新たに始めたいと考えています。現在はコロナウイルスの影響で、ことさら体験については事業として期待が持てない状況ですが、通常時では立地的に有効な商売である考えています。また、妻の両親がカフェをオープンする予定でもあり、そこでのいわゆる直販での作品販売にも期待をしています。
一見、体験事業を始めることは先に私が述べさせて頂いたことと矛盾するように感じるかもしれませんが、これらで利益を上げ、より本来の目的である作品作りに力を入れられるようにする。というのが今の私の方針です。吹きガラス体験をお客さん以上に本当に楽しんでいる作家や、本当に丁寧に説明して遊ばせる作家などを見てきたりと色々な方々と関わってきた中で、「体験」に対しての否定的な私の考え方に変化があったということもあるでしょう。 -
- (宿場町と私のパンティ)
- そして、それでもあくまで作品を作ること、パンティをはかせることが目的であることに変わりはありません。その上で、私の自分らしい吹きガラス体験が出来るのではないかとか、新しい景色が見えるのではないかと心の面でも前向きで楽しみでいます。
作家というのは、大体の人間が、作りたがりで見せたがりであると私は思っていて、私もそうであります。ですので、もちろん今まで定期的に開催してきた横浜・東京での個展や、イベント出展は続けていきます。 -
- (パン”ティーフロート” 「 aire ameno (東京都葛飾区)」での個展にて
photo by cocochi) -
- (花子ちゃん)
- いつまでも私のパンティを見せ続けたく、つまらないパンティをはかせるようになったと言われないよう、より精進していく所存です。
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さいごに
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私がおじいさんになっても~パンティ & You~
- 今回ご支援が頂けても頂けなかったとしても、私が歩みを止めることはありません。
「お金くださいってことだろう。」と言われれば確かにそうです。
ですが、特にそういう方にはお聞き頂きたいことがあります。
先にも述べましたが、私がガラスをやるのは作りたいから。が理由です。
お金儲けがしたくてこの仕事をやっているわけではありません(お金儲けのためなら選んではいけない仕事と言えるでしょう。。。)。
極端に言えば、作り続けて生きていけるなら、お代金はいりません。
では、なぜ作品に値段をつけるのか?
それは、「作る」という夢であり欲望を効率的に叶え続けるためです。
作ったものが材料代になったら、タダで作り続けられます。
作ったものが生活費になったら、アルバイトをしないで作り続けられます。
より作り続けることに効率的に徹するためにお金を頂いています。
この考えは、アルバイトをしながら工房に勤めていた、作品を売ることを始めた頃に考えたもので、環境が変わった現在は純粋にこのままではないのかもしれませんが、根本がこの考えであって、このプロジェクトもその延長線上のものです。
そして、今だからこそ出来る、これからの私の人生に刻まれる、皆様にも私にも価値のあるリターンを用意させて頂きました。
ぜひ、私に作り続けさせてください。パンティをはかせ続けさせてください。
私の仕事は、自分の思いや考え、アイデアといったものを、それらを形にする、物質化することで、それらを向こうの世界、想像の世界から現実の世界に連れてくることです。
今回全てのリターンに付属する「支援者奉名板」は、お祭りや神社の「寄付者奉名板」から思いついたことですが、皆様の思いを物質化して連れ出したいという私の職業病なのかもしれません。
今回のクラウドファンディングでご支援を頂いた時に、私にとって叶うことは、工房の費用が出来るということではなくて、「皆様のお気持ちに囲まれてパンティをはかせ続ける、仕事を続けていく」ということであります。
そして、それは私の夢である「お陰様で、パンティはかせて50年。」と言えるおじいさんになることを、より幸せなものにして頂けるものであります。
目標額の82万円は「パンツ」ということで洒落させて頂きました。本当はパンティですが。
今回ご支援頂く私の一番の相棒になるガラス工房とタッグを組み、ガラスをやめた友人がくれた道具を手に、頭の中はパンティで、皆様のお気持ちに囲まれてパンティをはかせていきたいと思います。
ご支援は大切に使わさせて頂きます。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。
何卒、よろしくお願い致します。 -