- ◎5月2日追記
おかげさまで目標額を達成することができました。
ほんとうに、ありがとうございました。
まだあと2日残っていますが、相変わらずドキドキしながら見守っています。
実は実家の都合で21日から日本に一時帰国することとなりました。それまでにはみなさんのご購入品は全て発送していきますので、ご安心ください。
ただしオーダー品は完成が遅れますので、お急ぎの方はご相談ください。
よろしくお願いいたします。 -
多くの人に横振りミシン刺繍の魅力を伝えたい。
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はじめに
- はじめまして。刺繍バッグブランドの『pangan daran パンガンダラン』です。
2009年から刺繍バッグを作るためにベトナムのホーチミン市に移り住み、制作と販売をしています。2011年には実店舗もかまえ、多くの方にご来店いただいています。 -
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今回のプロジェクトについて
- 今回のプロジェクトでは、より多くの人に横振りミシン刺繍の魅力を伝えたいという思いから、今までのバッグではなく、刺繍そのものを販売しようと思いいたりました。
バッグだと対象が限られてきますが、額縁に入れた刺繍絵であれば老若男女問わず使っていただけると考えました。 -
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そもそも横振りミシン刺繍とは。
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横振りミシン刺繍の位置づけ
- 横振りミシン刺繍てどんな刺繍?って思いますよね。
刺繍にもいろいろありますが、刺繍を刺す方法としては大きく3種類があります。 - 1つは手刺繍。
これはみなさんご存じの、人が自分の手で刺す刺繍です。それこそ技法も様々で世界中で刺されています。完全な手仕事のため少量生産に向いています。クリーマでよくみられるような刺繍のアクセサリー、スワトウのハンカチーフ、もしくはオートクチュールの高級ドレスなど。
2つ目は機械ミシン刺繍。
コンピューターにデータを入力し、それを大量に機械ミシンで刺していきます。現在みなさんが目にしている多くの刺繍がこれに当たります。大量に速く刺せるので安価に生産できるのがメリットになります。
3つ目が横振りミシン刺繍。
刺繍用のミシンで職人が操作して刺していきます。左右に針が振れるミシンで布を動かしながら絵を作っていきます。この刺繍はおそらく見たことがない人がほとんどだと思います。というのも刺せる職人さんが今ではほとんどいませんから。日本ではもちろん、ベトナムでも職人さんは激減しています。 -
- コンピューターミシンができる前はこの横振りミシンが使われていたんですが、時代とともに次第に使われなくなり、刺せる職人の数も減っていきました。
日本の刺繍屋さんもコンピューターミシンの他に、サンプル用に少量が生産できる横振りミシンを置いているところもありますが、ちゃんと刺せる人はごくわずかです。 -
ベトナムの横振りミシン刺繍
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- 動画を見ていただくとわかりますが、ミシン針が左右に振れています。職人フンさんは簡単に刺しているように見えますが、この道31年の大ベテランのなせる業です。
ベトナムの刺繍文化は王朝時代に花開き、王朝を飾るための装飾として刺繍絵が生まれました。その後フランスの植民地時代に西洋の新たな技法や感覚が加わり、ますます多様化し現代に受け継がれています。今では着ている人も見かけなくなりましたが、冠婚葬祭には刺繍の入ったアオザイ姿を見ることができます。 -
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横振りミシン刺繍のメリットデメリット
- 手刺繍よりは速く刺せ、コンピューターミシンよりは遅い。刺繍を指す方法としては中間に位置します。
そして刺された刺繍も職人の刺した跡が残るため、手刺繍に似た温かみがあります。表面が大きく盛り上がっているところも私の好きなところです。
すべての目が揃っていないところや、まったく同じものが刺せないというのは商業製品としてはデメリットですが、刺繍作品としては逆にメリットになります。動物の顔が一つ一つ違うのもまた楽しさであったりします。
またコンピューターミシンと違い、布を動かして大きな面積も刺せるところも気に入っています。 -
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横振りミシン刺繍の課題
- そういった横振りミシン刺繍の良さを生かし、『パンガンダラン』では全面に刺繍を入れたバッグを作ってきました。おかげさまでご好評いたたいています。ですがこの刺繍バッグは横振りミシン刺繍職人が存在が欠かせないものとなっています。
現在ベトナムで横振りミシン刺繡が刺せるのは400人あまり。でもその中で仕事として刺せるのは50人。そしてさらに刺繍検定最高ランクの4レベルをパスしたのは30人。その中で難しいといわれるパンガンダランの刺繍を刺せるのはわずか10人。
ですが上手いだけではダメなんです。そう、刺繍にはセンスが必要なんです。ちょっとしたニュアンスで大きく印象が違ってくるので。
そんなわけでパンガンダランでは最高の腕前を持つフンさんにお願いしています。フンさんは現在46歳ですが、15歳の時から刺しているのでこの道31年の大ベテランなんです。しかも本当にセンスがいい。全幅の信頼を寄せています。 -
- 近年の経済発展により、ベトナムも例外なく伝統工芸の職場は厳しい状況となっています。2000年以降、横振りミシン刺繡を刺せる人は急激に減り続けています。かつては学校もありましたが、今では熟練の職人さんが弟子を取り教えるようになっています。フンさんも今までに4人教えたそうですが、最近の若い人で刺せる人はいないということです。
急激な経済成長により、手仕事は置いてきぼりにされ、今後ますます職人の数は減っていくことが予想されます。日本以上にそのスピードは速く、国のシステムもそれを守ろうとはしないので、ベトナムの横振りミシン刺繡はあと十数年で風前の灯火となる運命にあります。 -
横振りミシン刺繍との出会い
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初めての出会いから現在まで
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- 私がベトナムの刺繍に出会ったのは今から25年前でした。
デザイン専門学校を卒業後、グラッフィックデザイナーとしてデザイン会社で働いていましたが、旅の誘惑に誘われ会社を辞め、1年間のアジア旅行に出ました。夢のような楽しい旅でしたが、ラスト1ヶ月という時にベトナムに入りそこで美しい刺繍やシルクに出会ったのが始まりです。
これは仕事になるかもしれない、これを使って仕事がしたいと思い、日本に帰って『ティルタガンガ tirtagangga』を立ち上げ、イベントなどでオリジナルのベトナム商品を販売しはじめました。
その頃のアジアブームもあって仕事は順調に伸び、特にベトナムの民族衣装アオザイがよく売れたので、次第にアオザイ屋になっていきました。その後、東京・恵比寿にお店も持ち充実した毎日を送っていました。 -
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- しかし、世の中は移り行くもので、アジアブーム(あったんですよ)も去り、次第に売り上げが減ってきました。そんな中いろいろ考えた末、一大決心をし、ベトナムで刺繍の入ったバッグを作ろうと思い立ちます。
それから4年間、仕事をしながら革職人の下で修行しました。経験上、ベトナムでは簡単なバッグは作れますが、革を使った難しいバッグはこちらに技術がないと作れないというのがわかっていましたから。パターンやサンプルを自分で作れるようになってから行こうと決めていたので4年かかってしまいました。
アオザイ屋の頃からベトナム刺繍の良さは実感していたので、刺繍バッグを作ることには迷いがありませんでした。ですが初めての試みだったので、最初のバッグができ上るまでに半年かかってしまいました。職人、材料、場所探しなど、試行錯誤しながら、ようやく今のやり方に落ち着いています。
そうして出来上がったバッグは、たぶん唯一無二のどこにもないバッグになっていると思います。 -
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今回のプロジェクトを思い立ったきっかけ
- きっかけはやはりコロナです。コロナで売り上げが大きく減ってしまいました。日本の卸し先様からの注文、観光客の激減が大きな要因です。
このままだと職人が食べていけるだけの発注量が足りません。ベトナムの急激な経済成長に伴い、多くの熟練した職人さんたちが食べていけず、安定した給料の出る職場へと転職していく姿を見てきました。絶対数が減り、時を追うごとに職人さん探しは大変になっています。横振りミシン刺繍職人という熟練の技を手放すのは残念すぎます。技を継承していくには発注し続けるしか方法がありません。
そこで今回のプロジェクトでは、できるだけ多くの人に横振りミシン刺繍の良さを知ってもらいたいという思いから、今までと違い、刺繍のみを販売することにしました。老若男女問わず使っていただけるものを考えました。はがきサイズとA5サイズの2種類。それぞれ小型なので手軽に飾っていただけると思います。
そしてもう1種類はA4サイズの額縁に入れる刺繍を、今までのパンガンダランの刺繡の中から選んでいただきます。時間がかかるので、先着10名様としました。 -
- パソコンデスク周りにホッと癒しの空間を作ります。
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- 北欧の涼やかな田園を鳥たちが横切ります。アップリケと布地の色調が絶妙のバランス。
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11年間の中から選んだ20点
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はがきサイズ14種類
- 10X15cmのはがきサイズの額縁です。壁にも掛けられるようフックが付いています。
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- 銀糸を使ったキラキラ刺繍。
写真ではうまく表現できていないかもしれませんが、暗めの布地の上に刺された銀糸は幻想的な美しさがあります。
①ガラスの花・・・冬の北欧の夜。氷がキラキラ輝きます。
②小雨刺繍・・・青と銀糸の雨が涼しげ。
③2001年宇宙の旅・・・星の中に宇宙船の姿が。
④白鳥の湖・・・青く澄みわたった湖面がキラキラと輝いています。 -
- 銀糸と金糸がキラキラと輝くガラスの花刺繍。
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- 人気の動物たち。それぞれの動物の愛くるしい姿を刺繍にしました。子供部屋などにぴったりだと思います。
⑤ハート釣りパンダ・・・釣りをしてたらハートが釣れちゃった。
⑥月の砂漠・・・ピラミッドに向かう一頭のラクダ。
⑦笹食べパンダ・・・一心不乱でムシャムシャ。
⑧毛糸猫・・・赤い毛糸で遊ぶ猫、お腹を見せて楽しそう。 -
- 温かな布の上の、まあるい背中の食いしん坊パンダ。
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- タテ位置に置ける動物たち。
⑨ヤモリ・・・壁にへばりついています。横位置にも対応。
⑩珈琲クマ・・・遠い目がなぜか落ち着きます。
⑪ホッと珈琲クマ・・・ホッと一息ついてるところ。 -
- 可愛いお花やうさぎの世界。
⑫パンジー・・・ブーケのような可憐な姿。ヨコ位置も可。
⑬花花・・・ピンクの布地に小花が可憐。タテ位置も可。
⑭うさぎガーデン・・・地模様が入った布地に淡い色の配色がカワイイ。 -
- キッチンのスパイス棚に一緒に並べた、パンジー刺繍。
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A5 サイズ6種類
- 15X21cmの 額縁です。壁にも掛けられるようフックが付いています。卓上にもできます。
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- アップリケを使った表現です。布と布の調和が楽しめます。
⑮空から・・・鳥が野原の上を横切っています。
⑯にわか雨・・・水玉模様のアップリケが表情を添えます。 -
- モノトーンのデザインが大人のインテリアに調和します。
⑰花畑・・・賑やかな花畑の声が聞こえてきそう。
⑱草むら・・・草むらの刺し方にこだわりました。糸ムラが楽しい。 -
- ⑲赤ずきんちゃん・・・ちらっと見える赤ずきんちゃんのコートが印象的。
⑳七夕パンダ・・・パンダの体はモコモコ生地を使いました。 -
- カワイイものがあると、ホッとなごみます。
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- 以上20点の刺繍に絞りました。
11年間に作った刺繍デザインは100点以上ありますから、その中からバランスを考えて選び出しました。
一つだけでもいいですし、何個か欲しいという人のために2個セット、3個セット、大小の組み合わせも作りました。セットで購入されると、送料分がお得になります。 -
パンガンダランの中からご自由に選べます。
- A4サイズの額縁は、決まった刺繍がありません。
お客様が今までのパンガンダランの刺繍からご自由に選べます。限定10名様。
今まで様々な刺繍バッグを販売してきました。そのバッグの刺繍をA4のサイズにレイアウトし直して、それをフンさんが横振りミシンで刺繡をします。
例えばデニム地のリュックにすずらん刺繍がしてあったとします。それをA4サイズにすると考えてください。できるだけ忠実に再現しようと思います。
ただし、すでに布地がないものは似たような布になりますし、小さすぎるものは大きく引き伸ばすと間が抜けてしまいますので、できるだけA4サイズに近いものが望ましいです。ですがやり取りしながらできますので、できるだけお客様の意向に沿う形に仕上げたいと思います。
例えば、コレとコレを組み合わせてほしい、ココにコレを入れてほしい、等の組み合わせもできますので、ご遠慮なくお申し出ください。
レイアウトし直したり、刺繍の下書き紙を作ったりと、少しお時間をいただくことになりますのでご了承ください。 -
- アーモンドバッグのパンジー刺繡をA4サイズの額縁に入れて飾ってみました。
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額縁は赤ちゃんにも対応しています。
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ニュージーランド製の木脇
- 額縁はベトナムで作っていますが、そのもとになる木枠にはニュージーランドから輸入した、乾燥した松が使われています。刺繍のよさを生かすため、ガラスは入っていません。軽量、かつ安全です。
また、アンティーク風に塗装された塗料はL.co社製で食品接触面でのコーティングの使用に関する米国連邦医薬品局(FDA)の要件を満たしています。間違って赤ちゃんが舐めてまっても大丈夫ということです。お誕生日のお祝いなどにもいかがでしょうか。
*塗料は、人の手で塗っていますので、濃い薄いなどの個体差があります。 -
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- 額縁はそれぞれ卓上用にも壁掛け用にもできます。付属のフックをお付けしますので壁にも簡単に取り付けられます。
*フックを金槌で打ち付ける際には、角の部分を手で覆うように持って金槌が当たらないようにしてください。万一当たると角が折れて役に立たなくなります。 -
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発送はできた順にお送りします。
- 刺繍はまだ一部しか作っていません。
これから注文が入るのを見て順番に制作していきますので、注文の数にもよりますが。長いと1ヶ月ほどかかりますので、ご了承ください。フンさんが1人で刺しているので時間がかかります。よろしくお願いいたします。 -
- 海外からの配送ですので華美な包装はできません。少し重くなるだけで料金がものすごく上がってしまいます。その代わり、簡易ですがオシャレに見える包装でお送りしますので、贈り物としても選んでいただけると思います。
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最後に。
- 突然のコロナ禍で、いろいろな影響が出ています。すでにお話ししたように、職人さんを確保するための発注量が足りなくなりました。
また航空便の減少で送料が2倍以上になりました。そのために現在は速く到着する佐川急便は使えていません。時間がかかるけれど安価な郵便局の普通郵便を使わざるを得なくなりました。しかもさらに通常よりかなり遅いので、お客様が心配してお問い合わせをされるほどです。
送料の設定は一律¥1200としているのですが、実はかなり安く設定しています。日本からの郵便物は料金据え置きなんですけどね。ベトナムに住みはじめて12年目ですが、一時帰国するたびに日本の物価が安くなっていることに驚いていましたが、ついに送料まで逆転しました。
そして、私が日本に帰れません。日本人ですから日本に帰ることはできますが、ベトナムに戻ってこれません。大枚をはたけばどうにか戻れますが。
さらにこれは自分が選んだのですから仕方ないですが、助成金等も一切いただけません。あの10万円も海外在住者には回ってきませんでした。
泣き言を言うつもりはありませんが、どうにかしてこの危機を乗り越えたいと思います。できるだけ多くの方に思いが伝わることを願っています。