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このクラウドファンディングで実現したいこと
- クラウドファンディングのページをご覧になってくださる皆様、ありがとうございます。
- 暮らしの中心であるリビングやダイニング、そこにぬくもりのある照明を、革を使ってつくりたい。また、その製作を可能にする革割り機の購入をこのクラウドファンディングをきっかけに実現したいです。
そして、その機械と技術が導入されれば他の革製品のクオリティアップや処分するはずの革の端切れの活用が可能になる等、サスティナブルなものづくりにも繋がります。
良い製品をつくるだけでなく、本当に暮らしに寄り添ったものづくりをしたいと考え、今回のクラウドファンディングをスタートします。 -
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SKLO(スクロー)とは
- SKLO(スクロー)とは チェコ語でガラスを意味しています。
工都、川崎で特殊な電球の中心部を作る町工場を営みながら吹きガラスアーティストとして感性を表現する少し変わった父の背中をみて育ったことが代表の齊藤の原点であること、そして父のものづくりへの精神を受け継ぎたいという想いからガラス工房につけていた SKLO という名前を使用しています。 -
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なぜ照明をつくりたいのか
- 革を取り入れた「ぬくもりある暮らし」を提案することがSKLOのコンセプトです。
リビング・ダイニングはまさに暮らしの中心です。
温かな家族の時間に、革の「ぬくもり」をさらに加え、
より豊かな暮らしを提案したいという想いから、照明を製作したいと思っています。
また、父や母・祖父や祖母が電球の製作に携わっていたこと、建築設計事務所でランプ照明のデザイン・製作を行った経験から、いつか革を使用した照明器具を製作したいと思っていました。 -
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具体的にどのような照明を作るのか
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1. お部屋や季節、その時の気持ちに寄り添って、模様替えできる照明をつくりたい
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- 革のライトカバーは今後も色や形を追加、新たに交換用製品の製作・販売をして行きます。使用する部屋やライフステージの変化に合わせて、新しい革の種類や色に変更することでより気持ちや雰囲気に寄り添うことができる製品になります。
革のある「ぬくもりのある暮らし」を提案するにあたって、「より長く、大切に使っていただけること」を念頭に、模様替えができることが大切だと考えました。 -
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2. 革と同じく経年変化し、育っていく。照明の金属パーツは”真鍮”にこだわりました。
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SKLOの商品の金具には真鍮を使用したものが多くあります。
それは真鍮も革と同じ様に人の手に触れたり、表面が酸化していくことで起こる経年変化を楽しめるからです。空気の当たり方や使用する環境により風合いが微妙に変わっていき、真っさらな状態からすこしづつ時間が経過していくことで、アンティークのような重厚な雰囲気へと育っていきます。
今回のクラウドファンディングに於いて、もっとも製作に時間を費やしたのは、この照明の金属パーツです。 -
- 当初予定していたパーツ設計では真鍮での製作を引き受けてくださるところがまったく見つかりませんでした。真鍮を断念して鉄で試作品を作ってもらいましたがやはり真鍮パーツを使いたいという思いから、パーツの形を改良することで、ようやく拘っていた真鍮で製作することができました。
また、革を取り付けるパーツは木造建築では使用されることが多いひねり金物からヒントを得て特注しています。ひねり金物とは屋根の下地である垂木を田屋や桁などの構造体とガッチリ固定するための金物です。
最終的に真鍮パーツをひねり加工してくれるところがなかったためSKLOでひねり加工をしています。出来ることは自分たちでやるのがSKLOスタイル。
この様な試行錯誤を繰り返して、ようやく今の照明の形を作り上げることができました。 -
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なぜペンダント照明をつくるのに革割り機が必要?
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革割り機ってなあに?
- 革製品を作る上で革の厚みがとても重要です。
革は天然素材の為、個体や部位により1枚1枚厚みが異なります。
革の厚みは飼育の年で変わります。また、牛や馬などの革の種類だけでなく、部位や年齢などにも左右されます。原皮は厚いもので6mmあります。
革製品では作品の用途や大きさにより0.1mm単位で革の厚みを調整して製作を行います。革の厚みを調整することを「漉く(すく)」と言います
今現在は皮から革に鞣し加工をしたあと、それぞれの製品に使用しやすい厚みに漉いたものが工房に届きます。例えばベルトでれば4mm、ポーチでれば2mmに革全体を漉いてもらいます。そのため同じ革でも2枚買う必要があります。
※「鞣し(なめし)」とは
動物から剥いだ皮を素材として使えるように不要なたんぱく質や脂肪などを取り除き、腐らないように化学的に処理することです。
また、工房にあるコバ漉きでも厚み調整をすることができますが、主に縫製の際に重なる部分を少しだけ薄くするのに使用するものなので最大約50mm程の幅までしか1度に漉くことができません。その為、50mm以上の幅の革を漉きたい場合には、革を送りながら数回漉き機にあてなくてはいけないので筋が入ってしまったり、少し調整が悪いだけで、床面(革の裏側)がガタガタになったり、均一になりません。
革割り機があれば最大約300mm幅までの革の漉き加工が可能となり段差のない均一な仕上がりとなります。
また、今まで作品に合わせて同じ色で厚みの異なる一枚革を購入していましたが、1枚の革を自社内で厚み調整ができることで在庫の革をどの作品にも最適な厚みで使用することが可能になることで作品のクオリティーが上がりお客様の満足度が上がると考えます。 -
- ペンダント照明製作にはSKLOで現在販売している生活雑貨小物の製品より正確な漉き技術が必要になります。それは革の厚みが均一でないと照明のフォルムが綺麗に保てないためです。
今工房にある漉き機では難しい厚みの微調整ができる環境を作ることで作品のクオリティーが上がると考えます。革の厚みを自社で正確に調整することが出来れば、より自由に作品を生み出すことが可能になります。
大切な空間に用いられるものだからこそ、”整ったプロダクト”をつくりたいと思います。 -
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導入する革割り機の特徴
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- 《導入検討中に販売元の工房にて撮影》
※機械は新品を購入しようと思うと非常に高いので、中古を購入し整備して使用します。
そのためこのクラウドファンディングの間に出会えるか心配していましたが、
先日運命的に巡り会うことができました。 - ・最大300mm幅の革の割加工が可能。
・0.1mm単位で厚み調整が可能になることで作品の幅が広がる
・漉き加工に出す時間や手間がなくなることでより早く作品の販売が可能に
・より均一な厚み調整が可能
・最適な厚みで製品を表現できる
・ドイツ Fortuna製
→革割り機を使用することで様々な作品に合わせた最適な革の厚さにできます
今回のクラウドファンディングのリターン商品にも革割り機を使用して製作する商品をご用意しています。 -
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サスティナブルなモノづくりに対する、SKLOの3つの想い
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1. 植物タンニンなめし革を使用すること
- SKLOではミモザアカシカなどの樹皮を精錬した天然成分・植物タンニンをなめし剤に使用し生産している革=植物タンニンなめし革を使用しています。
植物タンニンなめし革は消費される過程において自然や人体に有害となる物質(クロムなど)が排出される危険を最小限にした革です。
天然素材である植物タンニン鞣し革は、愛用すればするほど、味わいを増すのが魅力。長く使うとダメージもそれなりに受ける可能性はありますが、手入れをすれば、応えてくれるのも植物タンニン鞣し革という素材です。 -
2. 端切れを有効活用すること
- 革は自然素材の為一枚一枚形や状態が異なります。飼育されている間についた引っ掻き傷、虫刺され、怪我のあとがあるものもあります。
また、革は部位の特性強度が異なるため、製作する製品ごとに向いている部位があります。商品製作の為に裁断をする際には革にある傷や厚みが均一でない場所を避けて裁断を行います。また製品のイメージに合わないシボ(毛穴)や血筋(血管のあと)などを避けることもあります。そのため、1枚の革を使用する場合でも革の2割ほどは使えない部分となります。その残った革を端切れと言います。
SKLOではOEMを受注しているため多くの端切れが出ます。OEMは製品になって納品する為端切れを持ち帰る、引き取るメーカーさんはほとんどいません。
また、メーカーさんが引き取っても端切れを生かす手段がないので産業ゴミとなってしまうことも考えられます。(あまりに大量に出る場合にはメーカーさんに確認し小物を製作することもあります)
革割り機があれば端切れとなった繊維質や厚みの異なる革も均一に漉くことが可能でき、端切れの革も生かすことができます。 -
- 《OEMで使用する様々な種類の革の棚・端切れの山》
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3. 床革も使用すること
- 牛革はそのまま使うには分厚すぎるので、肉側の繊維層をスライスして2~3枚に分けて薄くします。
このとき分けた革の表面側の層(銀面)のついていない裏側の層を「床(とこ)」といい、これを加工して革素材にしたものを「床革(とこがわ)」といいます。
表面はないものの性質的にはヌメ革と同等の経年変化を楽しめます。
はじめは硬くガサガサしたイメージですが、使っていくうちに色焼けし、しっとりなめらかに、柔らかい革へと変化していきます。銀面とは異なる優しさが魅力です。
自然の贈り物である以上、革を漉いてでた副産物も余すところなく有効活用できればと考えます。 -
まとめ
- モノが溢れて飽和状態になり、大量の廃棄物を処分して生きている私達に、今、出来ることは何か?捨てればゴミになってしまう端切れ。自然からの恵みを余すところなく使い切ること、出来た製品を永い時間愛用していく。
植物タンニン鞣し革を使った永く使える商品作りをすること、端切れや床革も有効活用することがSKLOにもできる環境問題への取り組みだと考えます。
革割り機を活用することで端切れや床革にも息を吹き込み新しい商品にすることが容易に可能になります。 -
最後に
- SKLOは2015年6月からCreemaに出品を始めました。最初に販売した作品はイヤホンネックホルダーiHoocでした。それから5年間の間に約7,000名の方にフォローしていただき、約8,000名の方にご購入いただきました。
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- 作品を購入していただいた方々、
SKLOをフォローして頂いている方々、
作品にお気に入りをつけて頂いた方々、
様々なイベントでご来店頂いた方々。
いつも優しくしてくれる台湾の方々。
そして、日頃よりお世話になっているサイト運営のCreemaスタッフの皆様
にも大変感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
皆様から頂いた一つ一つの評価やメッセージが今のSKLOの原動力となっています。
ありがとうございます。
SKLO代表の齊藤はとてもシャイで口下手な人ですが、ものづくりをするときはとてもイキイキと楽しそうにしています。
SKLOの作品の中には齊藤のユニークな着眼点から生まれた作品がたくさんあります。
SKLOの作品は面白いな!と思っていただき、SKLOがこれからもモノづくりをしていけるように、そしてそのための大切な道具である「革割り機」が購入できるようご支援いただければ幸いです。
今回のプロジェクト限りではなく、一緒に、革のある暮らしを広めていって頂ける方々との出会いを楽しみにしております。
長文お付き合いいただき、ありがとうございました!
ご期待に沿えるものづくりができる様、一生懸命取り組んでまいります。
プロジェクトへの賛同、どうぞ宜しくお願い致します!